Bスポット療法とは
口蓋垂(のどちんこ)の奥にある直接上咽頭(鼻咽腔)に薬を塗布する治療法です。上咽頭は呼吸の際に空気に一番に触れる器官であり、乾燥したり、ウイルスや細菌の影響を受けやすいところでもあります。鼻呼吸ができている場合は、鼻腔に空気の乾燥を防ぐ機能があるため、乾燥しにくいですが、鼻づまりや鼻水等で口呼吸になっている場合は、空気が乾燥しやすく上咽頭炎を起こしやすくなります。 上咽頭炎になると、のどがイガイガする、鼻水がのどに落ちてくる後鼻漏、鼻の奥に違和感を感じる、声が出しにくいなどの症状が現れます。
構造上、上咽頭は外から目で見て確認することは難しい場所であるだけでなく、スプレーやうがい薬などでは治療が難しい器官でもあります。B スポット療法は、上咽頭が炎症を起こしている場合に有効な治療法で、鼻や口から専用の器具を使って塩化亜鉛やルゴール液と呼ばれる薬を直接上咽頭に塗布します。
治療方法
当院では咽頭捲綿糸(曲がった綿棒)に塩化亜鉛液をつけて、上咽頭に塗ります。上咽頭は炎症を起こしやすい器官で、症状や治療開始時の炎症の程度によって効果が出るまでに時間さがありますので、7〜10日おきに通院していただきながら治療を継続していきます。
こんな方におすすめ
・咳が⻑く続いている
・喉がイガイガする
・痰が良く出る
・鼻水がのどの奥に垂れてきて気持ち悪い
上記以外にも
・喘息
・めまい
・自律神経失調症
・膠原病
・アトピー性皮膚炎
などに効果的という報告もあります。
治療上の注意
Bスポット療法は痛みを伴うことがしばしばあります。炎症の程度が強い⼈ほど、薬が染みてヒリヒリとした痛みを感じ、⻑い時には数時間、稀に翌日まで痛みが残ります。痛みが強いということは、炎症が強いということもあるため、症状が改善しやすい傾向が見られます。痛いからと言って治療を中断すると、症状の改善につながらないため継続するようにしましょう。
治療後、唾液やは鼻水に血が混じることがありますが、炎症によって上咽頭の表面が弱っているために起こります。炎症が強い⼈ほど現れやすいですが、炎症が改善していくにつれて、出血は治まっていきます。
薬によって粘膜が刺激を受けて、鼻水や痰が出やすくなることがありますが、数時間で治まることがほとんどです。
治療後は食事や飲み物などを摂取して頂くことが可能です。
薬を飲み込むと胸やけを起こすことがあったり、治療期間中に一時的に症状が強くなる、頭が重い、顔が腫れぼったくなることがあります。
Bスポット療法は、疾患に対して効果的であることは分かっていますが、なぜ有効なのかという点についてはまだ分かっていません。基本的にはネブライザー治療や薬の服用など、普段の治療を継続する中で、補助的な治療法としてご理解ください。