舌下免疫療法とは
スギ花粉アレルギー性鼻炎に効果的な治療法で、花粉に対して過剰反応している体を花粉に慣らしていく治療です。継続して少量のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を接種することで、体を慣らしていきます。スギ花粉アレルギー性鼻炎は2014年10月保険診療の適用となりました。
スギ花粉アレルギー性鼻炎とは
いわゆる花粉症の一つであり、2月〜3月頃をピークに飛散するスギ花粉に対する免疫の異常反応です。花粉の飛散する時期に流行することから季節性アレルギー性鼻炎に数えられます。
症状
スギ花粉アレルギー性鼻炎の症状
・目のかゆみ、涙目、充血、結膜炎
・鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻のかゆみ
・肌の痒み、赤み、発疹
治療方法
1日1回アレルゲンを含んだ錠剤を舌の裏に置き、ゆっくり溶かしてしていきます。繰り返すことで徐々にアレルギー症状を和らげていきます。通常3〜5年継続して行う治療のため、今期のいる治療ではありますが、以下の効果が期待できます。
・目のかゆみ、充血などの解消
・花粉飛散時期の抗アレルギー薬の減量、または不使用
・鼻水、鼻づまり、くしゃみの解消
治療計画
スギ花粉が飛散する時期には投薬による反応が過剰になることもあるため、スギ花粉が飛散している1月〜4月は治療を開始することができません。治療前に、血液検査や問診を行いアレルギー性鼻炎の原因がスギ花粉かどうかを検査します。
治療開始すると、初回はクリニックで治療上の注意の説明と服用を行い、副作用がでないか様子をみます。翌日からは自宅で薬を服用します。治療の経過とともに使用する薬の種類を変えていくため、説明をよく読んで正しく服用することが必要です。初回から1週間後に通院したあとは1ヶ月おきに必ず通院していただきます。
こんな方におすすめ
・花粉の時期はアレルギー性鼻炎の薬を飲んで勉強中や仕事中に眠くなる
・鼻水や鼻づまりが気になって集中できない
・飲み薬やスプレーでは効果があまりない
・レーザー治療に抵抗があったり、実施しても改善しない
・薬の量を少なくしたい
ただし、下記に当てはまる方は治療を受けることができません
・アレルギー性鼻炎の原因がスギ花粉ではない方
・5 歳未満の小児の方
・ぜんそくのひどい方
治療上の注意
アレルギーの原因となる物質を体内に入れるため、副作用が現れることがあります。初めて治療を行う際には、薬を服用してから 30 分間は院内に待機していただきます。下記のような症状が初回に出やすく、症状が出た場合様子を見て、翌日以降も症状が残る際には医師の診察を受けてください。
主な副作用
・耳、口、唇のかゆみ
・喉の刺激感、不快感
・めまい
ただし、下記のような副作用が見られた場合には、すぐに当院にご相談ください。
・じんましん、皮膚の赤みなどが全身に現れる
・頻脈、不整脈、血圧低下
・呼吸困難、胸のしめつけ感、喘鳴、チアノーゼ
・視覚異常、視野が
・胃痛、吐き気、嘔吐、下痢
・恐怖感、意識の混濁など
計画的な治療
舌下免疫療法は治療期間が⻑く、継続的な治療が必要となりますが、根本的な体質改善により免疫の反応異常を低減する効果が期待できます。治療の効果を高めるためにも、⻭磨きの後など薬を服用するタイミングを 1日の中で決めたり、1ヶ月に1回通院する日を決めておくようにしましょう。
治療薬を継続的に服用することも大事ですが、日々の生活環境、習慣の改善も必要です。外出する際には、帽子や眼鏡、マスクをしたり、室内に入る際に上着を脱いで花粉を払ったり、できるだけ花粉を持ち込まないようにする工夫をお勧めします。
毎年花粉シーズンは、鼻水がつらいといった症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。